仏産樽熟成17ヶ月(新樽約30%)エレガントな酸に縁どられた豪華で芳醇なスパイス、赤系黒系ベリーと共にフルーツ系でないアロマ(紅茶、キノコ、なめしたばかりの皮、生肉など)が見事なまでに存在する。中心にしっかりとした芯と旨味が凝縮した官能的な味わい。長い余韻がつややかに伸びる。リースのピノ・ノワールのコンセプトを代表するワイン。
リースの葡萄、醸造について(ピノ・ノワール)
リースの葡萄、醸造について(ピノ・ノワール):特徴ある各畑からベストのタイミングで収穫された葡萄は(酸と糖と成熟がバランスし、決して過熟でない)、小さなバスケットで運ばれ(つぶれない)、2010年に完成したセラー(リッジのモンテベロの畑をサン・アンドレアス断層を挟んで見上げる位置にある)に全て冷たい状態で運び込まれる。
葡萄が運び込まれてから、ボトリングされるまで全てがグラヴィティー・フロー(高いところから、低いところに重力に従って運ばれ、ポンプは使わないことにより果汁に余分な負担をかけない)で作業が出来る設計になっている。
ソーティング・テーブルの速度は遅く1トンの葡萄が約一時間かけて選り分けられ、醗酵槽には未熟果や過熟果は入れない。
全房醗酵率はワインによって異なる。
小さなロット毎に醗酵できるように1トン容量のステンレス・オープントップ醗酵槽が約120基も備えられている。(右写真)
醗酵槽は小さいのでフォークリフトで持ち上げることが出来、移動がポンプを使わずに出来る。
全ての醗酵は天然酵母で行われ、各畑により醗酵にも個性があるのが興味深い。
4年天然乾燥(普通は3年以下)の仏産樽を使い熟成期間はワインによって異なる。
ノン・フィルター、人工的な清澄なく瓶詰。
ヴィンテージ情報
2019VTGの始まりはたっぷりとした雨に恵まれた冬で、葡萄の樹は前年の乾燥から逃れ、生き生きと枝葉を伸ばしました。
温かい春には素晴らしい開花と結実が行われ、そのまま順調な夏はたっぷりとした太陽と涼しい気候の両方を受け、葡萄はゆっくりと完璧な成熟を遂げ、秀逸な酸も内包できた。
結果として素晴らしい収穫を迎え特別なヴィンテージとなった。
テクニカル情報
1トンサイズの小さいオープントップステンレスタンク醗酵(全房約20%)、17ヶ月仏産樽熟成(新樽約30%)、ノン・フィルター、人工的な清澄なしにボトリング
テイスティング・コメント
リースのピノ・ノワールのコンセプトを代表するこのホースシュー・ヴィンヤードの味わいは「テロワールをそのまま表現し、重さを感じさせない」。
近年その個性は非常に洗練されてきており、味わいの中心にぎっしりと詰まった旨味が存在し、赤系果実(薔薇、レッド・チェリー)、スパイス(アニスやリコリス)、フリンティさ(石っぽさ)が軽やかに昇華し全く重さを感じさせない。
フルーツ系でないアロマ(紅茶、キノコ、芳醇なスパイス、なめしたばかりの皮、生肉など)が見事なまでに存在する。
なめらかな口当たりと引き締まったしなやかなタンニンが印象的で官能的なまでの余韻を持つ。若く飲む場合は大きめのグラスで十分になじませゆっくりと時間をかけて楽しんでいただきたい。
15-20年の熟成も期待できる。
畑情報
サンタ・クルーズ・マウンテンズにあるリースの自社畑・ホースシュー・ヴィンヤード。
2004年植樹、7ha(うちピノ・ノワール約5ha)、標高414m-490m, 土壌は薄い表土の下はモントレー・フォーメイションと呼ばれる頁岩堆積土壌と海洋性珪藻土堆積土壌。
土壌が形成されたのは11-15百万年前。
サン・アンドレアス断層によるうねりやひねり、一番下の岩盤が隆起したり複雑に入り組む。
水はけが良く、ミネラル感がたっぷりと出た、複雑で緊張感あるワインとなる。
ホースシュー(馬のU字型をした蹄鉄)と命名した理由は、葡萄畑にする前は、ここで馬が放牧されていたことにちなむ。
2017年には新規の植樹も進む
ヴィンテージ: 2019年
容量: 750ml
タイプ: 赤ワイン
味わい: ミディアム・ボディ
主要品種: ピノ・ノワール100%
原産国名: アメリカ
地方名: カリフォルニア
AVA: サンタ・クルーズ・マウンテンズ/ Santa Cruz Mountains
備考: vinous 96P Aug. 2021 by Antonio Galloni Jub Dunnuck 93+P July,2021
ワインメーカー: ジェフ・ブリンクマン/ Jeff Brinkman
醸造: ステンレス・タンク発酵(全房比率20%)、天然酵母発酵
熟成: 仏産樽にて17か月熟成(新樽比率30%)、ノンフィルター
土壌: 頁岩堆積土壌、海洋性珪藻土堆積土壌
評価: 90P以上
キャップ: コルク
アルコール度数: 13.3%