2015 年のカベルネ・ソーヴィニヨンはパワーとエレガンスを兼ね備えたワインです。アロマに感じられる完熟したラズベリー、サルサパリラ、乾燥させたスミレの花、濡れた粘板岩等は、この土地と醸造方法の個性の現れです。口に含むとフレッシュな酸、砂利を思わせるミネラリティ、いちじく、カカオ等がしっかりと余韻に感じられます。春は涼しく、夏は穏やかな生育期でした。開花時期の涼しさの影響でカベルネ・ソーヴィニヨンは花振るいが生じ、小さく凝縮した粒がまだらに実りました。収穫量は激減したものの、品質的にはとても素晴らしいワインが出来ました。使われたほとんどのブドウは樹齢20 〜40 年が平均で、ブドウにとって過酷なマウント・ヴィーダーの生育期が感じられるナパ・ヴァレーのワインです。この辺りは火山性土壌と古代に海底だった堆積土壌が混合する土壌で、水はけがとても良いことで知られています。ブドウは豊かなミネラル感と爽やかな酸味が特徴です。ブドウの収穫はフレッシュな酸としっかりとしたタンニンを保つため、早めに行います。醸造には、コンクリートタンク、オープントップ・フュードル、そしてステンレスタンクが使われます。およそ2 週間の浸漬を行い、プレスにかけます。2015 年のカベルネ・ソーヴィニョンは100%旧樽にて合計32 ヶ月間熟成させます。そのうち、20 ヶ月は大容量のフュー
ドルにて、残りの12 ヶ月間はバリックにて熟成を行います。瓶詰め後、また更に12 ヶ月熟成させてから出荷します。マヤカマス・ヴィンヤーズはナパ・ヴァレーのマヤカマス山脈南部、マウント・ヴィーダーの頂上近くに位置する老舗ワイナリーで、歴史は1889 年までさかのぼります。1941 年、英国のビジネスマン、ジャック・テイラーにより重力移動式のワイナリーが建設され、敷地にシャルドネとカベルネ・ソーヴィニョンが植えられました。1968 年、当時ハイツ・セラーズでワイン造りに携わっていたボブとエリノア・トラバース夫妻がマヤカマス・ヴィンヤーズを購入し、上質なシャルドネとカベルネ・ソーヴィニョンの生産者として活動します。1976 年に開催されたパリ・テイスティングの赤ワイン部門では、1971 年産のマヤカマス・ヴィンヤーズのカベルネ・ソーヴィニョンが7 位に入賞し、その評価を高めます。そして、それから40 年もの間、マヤカマス・ヴィンヤーズのワインはナパ・ヴァレーの中で最もクラッシックなスタイルで、野性的な一面を持つ最高品質の山岳地帯のワインとして広く知れ渡りました。そして2006年に行われた、パリ・テイスティングの30 周年記念のテイスティングでは、同じラインナップのワインがブラインドで試飲され、今回はマヤカマスの1971年のカベルネ・ソーヴィニョンがフランスのグランヴァンを抑えて見事3 位に輝きました。これはマヤカマス・ヴィンヤーズのワインが長期の熟成を得る事で、
本来のポテンシャルが十分に引き出されるワインだと世界的に証明された瞬間でした。2013 年からは、ショッテンスタイン財閥の傘下となり、スクリーミング・イーグルの元ワインメーカーであり天才若手醸造家として注目されているアンディ・エリクソンが醸造を監修し、新時代の若き才能ブレイデン・アルブレクトがワインを造っています。また、長期にわたり放ったらかしにされていた畑の植え替えを担当しているのは、カリフォルニアにおいてのオーガニック&バイオダイナミック農法のパイオニアとして知られるフィル・コトゥーリです。彼らの目標はただ一つ、それはワイナリーの120 年以上の歴史に恥じることのない高品質で伝統的なスタイルのワインを引き続き世に送り出すことです。ワイナリー
およそ190 ヘクタールのワイナリーと敷地は、ナパ・ヴァレーで最も冷涼で、ブドウの生育期が長く平均収量がとても少ない産地として知られるマウント・ヴィーダーAVA に位置します。植樹面積はおよそ21 ヘクタールで、ナパのヴァレー・フロアよりも550m 〜730m 高い位置にある山岳地帯の畑です。ワイナリーの名前はナパ・ヴァレーの西側、ソノマ・ヴァレーとの境界として知られる「マヤカマス」山脈に由来していて、アメリカン・インディアンのワッポ族の言葉で「山ライオンの遠吠え」を意味すると言われています。ワイナリーのロゴの「M」の中に、2 匹の山ライオンが描かれています。
ワイン
フラッグシップのカベルネ・ソーヴィニョンは長期熟成が可能で、雄々しくクラシックなスタイルのワインです。シャルドネはMLF を一切行わず、使用済樽のみで熟成させ、ブドウ本来のミネラルを感じる素直なワインです。