非常に淡い麦わら色。緻密さとピュアな味わいが2023年の特徴です。フレッシュなライムリーフ(こぶみかんの葉)と白い花のアロマ。豊かで力強い果実味と何層にも折り重なるテクスチャー、ミネラリティーが調和しており、複雑で余韻の⾧いフィニッシュがあります。とても洗練されている飲み口の良い白ワインです。ラニーニャ現象の影響があった年。冬から春にかけて温暖になるのは早かったが、1度だけ霜が降りました。クリスマス後の降雨量は例年を上回り、平年並みの気温を記録しています。テ・ムナロードヴィンヤード(マーティンボロー)について
ソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールを育てているこのヴィンヤードでは、『風』と『温暖な気温』がワイン造りにおいて大きなキーワードです。広大な土地で日照量の豊富なマールボロと比較されることが多いですが、マーティンボローは西のラムータカ・ヒル等の山々と東の丘陵に挟まれた小さいエリアで、冷涼な海洋性気候。開花から結実期までは東西の山地の間を抜けるように南西から強い冷涼な海風が吹き、そのため樹勢が抑えられ収量は減少します。一方、山に囲まれているので夏の日中は暑くなりますが、海風の影響で朝晩は気温が下がり、1日の寒暖の差が大きくなります。その結果、ブドウの糖度と香りが徐々に上がっていくことで遅めの収穫が可能となり、より凝縮感のあるワイン造りが可能となります。ヴィンヤードは標高差のある2つの畑があり、上部は、堆積岩など複雑な鉱物や火山灰が含まれた20,000年前のalvi-fulvicsoil(アルビ・フルヴィック土壌)でピノ・ノワールが栽培され、下部は小石が混ざった石灰質土壌でソーヴィニヨン・ブランに最適な土地です。1998年に設立されたクラギー・レンジは、ニュージーランド北島のホークス・ベイにあるプレミアム・ワインの産地、『テ・マタ・ピーク』の丘陵地に位置する家族経営のワイナリーです。テリー&メアリー・ピーボディ夫妻が、世界クラスのワイン造りを目指してワイナリーを立ち上げようとしたとき、彼らはすぐにニュージーランドを訪れました。ニュージーランドの将来性を見出したピーボディ・ファミリーは、ホークス・ベイのギムレット・グラヴェルズとマーティンボロのテ・ムナ・ロードに焦点を当て、この地を代表するワイン・コレクションを生産し『世界の偉大なワイナリーと肩を並べたい』という野心と『この先も続く家族のために遺産を残し、1000年続くワイナリーにしたい』という2つの思いを持ってワイン造りを始めました。この2つのエリアにはそれぞれ異なる土壌タイプがあります。ホークス・ベイのギムレット・グラヴェルズにはこの土地特有の『Greywackestone(グレイワッキ、灰色の石)』と砂、シルトが層になっており、日中に吸収した熱により夜間でも畑を温暖に保つため、このエリアは海に近い冷涼な海洋性気候のホークス・ベイの中にありながら、他のエリアより気温が2-3℃高くなります。マーティンボローのテ・ムナ・ロードには堆積岩など複雑な鉱物や火山灰が含まれた20,000年前のalvi-fulvicsoil(アルビ・フルヴィック土壌)や小石が混ざった石灰質土壌があり、これらの優れたブドウ畑からは、驚くほどのアロマ、純粋さ、複雑味を持つワインが生まれます。このようにクラギー・レンジはユニークなテロワールの畑を保有しております。様々な品種のワインを造っていますが、『Theworld'smostadmiredwinebrands(世界で最も称賛されるワインブランド)』では、2020-2024まで5年連続でTop50に入り、ワイン・アドヴォケイトではLeSol(ル・ソル)が常に95-97点を獲得するなどワールドクラスの品質を誇っています。また、ニュージーランドの元首相JacindaArdern(ジャシンダ・アーダーン)の結婚式が2024年1月に行われたことでも知られており、受賞歴を誇るレストランが併設されている美しいワイナリーは、ニュージーランドを代表するデスティネーションとしても注目を集めています。この結婚式ではソーヴィニヨン・ブランテ・ムナマーティンボローとテ・カフギムレット・グラヴェルズ・ヴィンヤード ホークス・ベイが提供されました。近年ではサステイナビリティに力を入れており、オーガニック栽培のスペシャリストをヴィンヤード・マネージャーとして新たに迎え入れました。栽培と醸造のチームが協力し、畑とワイナリー内に生息する微生物を研究することで生態系の解明し、また剪定技術を進化させることでワインの樹の樹液の流れを良くし、病害を抑制する研究などが行われています。次の世代へいかに『より良い状態で畑を受け継ぐことができるか』を常に考えています。
2020年にはマーティンボローのブドウ園100ヘクタール以上に、この土地で自生するブドウの樹の苗を植樹する生物多様性を向上させるプロジェクトに着手しました。最終的には自分たちの土地の質を向上させることを目指しています。