様々なピノ・ノワールのクローンを融合させた12クローン。エレガントな中にサンタ・ルシア独特のしなやかさと力強さを感じる。
2021年ヴィンテージは、認証有機栽培の自社畑ダブル・Lのブドウを61%を占めています。12クローンの名称は、ダブル・Lのオリジナルで多様なクローンのピノ・ノワールの植え付けを意味している。サンタ・ルシア・ハイランズは曇に覆われた朝、強い風を伴う日中の日差し、夕方の霧が涼しい冷涼な気候が最大の特徴。長い生育期間が穏やかな成熟を促し、バランスの取れた酸味のある力強いフレーバーを生み出す。
手作業で選別したのち、100%除梗。小型のオープントップタンクで天然酵母と培養酵母を使用し、全房発酵を開始。発酵後フレンチオーク(新樽32%)に移され、9ヶ月間熟成。
ラズベリーやブラックベリーの豊かな果実味、月桂樹やベルガモット・ティー、スミレの花、微かなミントなど様々なアロマに、ほのかに甘く香ばしいスパイスの風味が加わる。エレガントなタンニンに支えられたミディアムボディ。
ローストチキンやサーモンのグリル、鴨肉や牛肉、子羊の料理と素晴らしい相性。
ダン・モーガン・リー(DanMorganLee)はサンタ・ルシア・ハイランズがAVAとして承認される前からこの地に注目し、良質のブドウを購入していました。モントレー湾からの冷涼な風により果実の生育期間が長いサンタ・ルシア・ハイランズは、1991年AVAに認定されたモントレーを筆頭する産地です。
もともと獣医学を勉強していたリーは、カリフォルニア州立大学ディビス校(UCデイヴィス校)に在学中ワインの醸造学と出会い、ワイン造りを決意しました。いくつかのワイナリーで修業を積んだ後、1982年モーガンワイナリーを設立したリーは、現在モントレー地区で最も良質で安定したプレミアムワインの生産者の一人として知られています。1996年に65エーカーの畑を購入し、双子の娘を授かった幸運にかけダブル・L(Lucky)ヴィンヤードと名付けました。購入当初は必ずしも理想的とは言えない土壌でしたが、あえて自ら土壌を改善する道を選び、2001年ダブル・Lヴィンヤードはサンタ・ルシア・ハイランズでは初めて有機栽培農地として認められました。環境に真剣に取り組むリーは有機的、かつ節水、省エネルギーな方法で畑を管理しています。そのため「SIP–SustainabilityinPractice※(持続的環境保全型ワイン生産)」としても認められており、サンタ・ルシア・ハイランズでは両方の承認を持つ唯一のワイナリーです。
モーガンでは、ダブル・Lヴィンヤードのほか、ギャリーズヴィンヤード、ロゼラズヴィンヤードなど一流栽培家のブドウを使い高品質なワインを生産しています。「テロワールの持つ特性、そしてぶどうの品種の特徴が忠実に反映されたワインを造ることこそが自分のゴールである」と、リーは語っています。
※ワイン・インスティテュートとブドウ栽培家組合が共同で、「カリフォルニア環境保全型ワイン連盟」を設立し、ワイナリーやブドウ栽培農家の取り組みを認証する仕組みです。