ベデルは30年以上メルロを生産しています。2009年産のメルロはオバマ大統領の就任式で供され、近年、「最上級のメルロと言えばベデル」とまで言われるようになりました。2017はとてもユニークで素晴らしいヴィンテージです。持続的農法を用いて栽培したブドウを手作業で摘みました。アメリカの経済新聞「ウォール・ストリート・ジャーナル」は"メルロが苦手だと思いこんでいる消費者は、このベデルのメルロを飲んでみるべきだ。ミディアム・ボディで肉付きが良く、繊細でアロマティックなワインだ"と評しています。現在80エーカーの自社畑で収穫されるすべてのブドウは、LongIslandSustainableWinegrowing(ロングアイランド・サステイナブル・ワイングロウイング)の認証済みです。これは、高品質のブドウを栽培しつつ、生物多様性や周辺海域の環境保護、持続可能なビジネスモデルの構築、畑やワイナリーで働くスタッフたちの健康の維持、そして地域での社会活動など、多岐にわたる総合的なプログラムなのです。ロング・アイランドのガーデン・シティに住んでいたキップ・ベデルは家で趣味のワイン造りを始めました。妻のスーザンとワインを造るうちに自宅地下でのワイン造りに物足りなさを感じ、1979年に50エーカーのジャガイモ畑を購入し、ブドウ畑として耕し始めました。二人はガーデン・シティから通いながらベデル・セラーズを立ち上げ、友人の助けを借りながら最初の7ヘクタールの畑に植樹し、その後畑を広げていきました。最初の収穫の1983年と1984年のブドウは他のワイナリーへ売りました。1985年の収穫時にはすさまじいハリケーン「グロリア」に襲われ、停電などの影響も重なり、赤ワイン用のブドウをほとんど失うという惨事に見舞われました。このような事故もあり、キップは1986年のヴィンテージをベデル・セラー最初の収穫と呼んでいます。そしてこの最初のヴィンテージであるシャルドネ・リザーヴはダラス・モーニング・ニュース・コンペティションでゴールドメダルを受賞したのです。現在、ベデル・セラーズが所有しているブドウ畑は、ロング・アイランドのノース・フォーク産地の中で平均樹齢が最も古い畑だと言われています。ここ一帯は、氷河が溶けて作られた土壌と言われていて、土壌は砂質ロームや砂利混じりのロームです。それぞれの畑の土壌やミクロクライメートに適したブドウのクローンを植え、ロング・アイランドのニュアンスと風の香りを、そっくりそのままワインから感じられるようにブドウを栽培します。ワインの醸造は完全に天然酵母で行います。ブドウ本来が持つ自然な酸味とミネラルを大切にしながら、樽の香りとアルコール度数のバランスを意識しながら醸造を行います。現在ではロード・オブ・ザ・リング等で知られる映画会社ニュー・ライン・シネマの会長兼CEOであるマイケル・リンがオーナーとなり最新設備を導入し、さらに高品質なワインを造り続けています。2013年1月、オバマ大統領再選の就任式昼食会にこのベデルのメルロが供され、まさに話題のワイナリーとなりました。ロング・アイランドワイン産地について:
ロング・アイランドは「ニューヨークのボルドー」と呼ばれニューヨーク州の最も新しく最も成長の著しいワイン産地です。ニューヨーク・シティの東約160kmにあり、島の先端はノース・フォーク(北分岐)とザ・ハンプトンズとして知られるサウス・フォーク(南分岐)に分かれています。グレート・ペコニック湾が分岐点となり二つにフォークが分かれノース・フォークの北にはロング・アイランド湾が、サウス・フォークの南には太平洋が広がります。これらの海が温暖な気候をもたらし長いブドウ生育期を作り、しっかりとしたメルロやアロマティックかつエレガントなカベルネ・フランなどヨーロッパの伝統品種に最適な土地です。