新鮮な果樹園の果物、⻄洋スグリ、柑橘油や蜜蝋の⾹りがあり、ミディアム・ボディではっきりしていてシャープな印象。
⾆触りはデリケートでミッドパレットには深みがあり、⻑い余韻には塩味と酸を感じます。
アルコールは12%以下で、Beau Rivage の今までのヴィンテージの中では最も繊細な味わいに仕上がっていますが、収量が低い年だったので糖度が低めのままでフルフレーバーに達し、若いのに⾹りの表情がとても豊かなワインになりました。
「2019 は2017〜2019 の中で⼀番熟度が⾼かったヴィンテージで、アルコール度数が12.4%まで上がりました。
⼝に含むと、通常以上のボリューム感とテクスチャがありますが、爽快感とフレッシュさは失われていません。
むしろ、通常よりも多く塩味が感じられるヴィンテージです。
貴腐ブドウをしっかりと除去した結果、とてもクラシカルなアロマを持つシュナン・ブランに仕上がりました。
ボー・リヴァージュのコンセプトの⼀つは、有名なブドウ産地でなくてもしっかりと栽培と醸造を⾏うことで上質なワインを造ることです。
2019 年はパーフェクトなヴィンテージでは無かったものの、まさにこのコンセプトが現実したと⾔える年でしょう。
」- W.K., January 2021このワインは、ミネラル分が豊富な堆積⼟壌のカリフォルニアのクラークスバーグ（Clarksburg）で有機栽培された果実を使って造られました。
内陸に位置するにもかかわらず、冷涼な海⾵の影響でナパ・ヴァレーの多くの地域よりも涼しいクラークスバーグ。
ブドウの新鮮さを保つため、収穫は朝早くに⼿摘みで⾏われます。
丁寧に選果したのち、果⽪の熟度が⾼い⽇当たりのいい場所のブドウは破砕してから圧搾し、⽇陰のブドウは全房圧搾。
固形物を取り除くためにしばらく置き、Damy（ダミー）、Stockinger（ストッキンガー)、Gauthier（ゴウティエ）などの樽職⼈が造る旧樽のバレルやdemi muids（ドゥミ・ミュイ 500-600L）、またはステンレスタンクで発酵させ、その後バトナージュは最低限の回数しか⾏わずに澱と共に熟成させます。
人生には、いいワインが必要不可欠です。
ボー・リヴァージュが目指しているのは、有機農法で育てた果実と職人技の醸造技術を掛け合わせて、クラシックなバランスを保つ手頃な価格のワインを造ることです。
しっかりとした風味と中程度のアルコールを持ち、かつ責任を持って栽培された価値のあるブドウを求めていたら、カリフォルニア州クラークスバーグ（Clarksburg）のシュナン・ブランにたどり着いたのです。
まるで絵画のように木が立ち並ぶ土手、曲がりくねる水路、そしてサクラメント・デルタに広がる果樹園など、クラークスバーグでの生活のペースはとてものんびりしていて、まるで昔のカリフォルニアの田舎町に戻ったように感じます。
しかしそのクラークスバーグは、シュナン・ブランを栽培するのには北アメリカで最も優れた場所のひとつなのです。
今のボルドー・メドックが17-18 世紀にオランダの土木業者たちによって干拓されたように、ここクラークスバーグも十数人のオランダ人投資家からなるホランド・ランド・カンパニーの技術者たちが20 世紀初頭に湿地帯を開拓したことがすべての始まりです。
ゴールドラッシュ時の鉱山から出た何百トンという土石が海に向かって流れ出たミネラル分の多い堆積土壌とシュナン・ブランの相性が良いことから、1960年代初頭からブドウの植樹が盛んになりました。
ワインメーカーのウィリアム・ケリーは、オックスフォード大学で歴史博士号を取得したのち、ブルゴーニュやカリフォルニアでブドウの収穫を手伝いながら、デキャンター・マガジン誌に寄稿していました。
現在彼はワイン・アドヴォケート誌でブルゴーニュとシャンパーニュの評価を担当しています。
シュナン・ブランはもともとフランス・ロワール地方中部発祥の品種です。
ウィリアムの仕事柄、ボー・リヴァージュのワインはコート・ド・ボーヌなどの生産者たちの影響を受けざるを得ません。
ボー・リヴァージュの醸造は、旧樽やフランス屈指の樽職人が造る500-600Lの大きめの木樽で発酵させ、澱と共に熟成させています。
これはジャン＝フランソワ・コシュ、アルノー・アント、そしてクラウス・ペーター・ケラーなどとの会話からインスピレーションを得ています。
カリフォルニアでは、サンドランズのティーガン・パッサラクワとそして誰よりもカリン・セラーズのテリー・レイトンが、ボー・リヴァージュのワインのスタイルと造り方の原点になっていると言えます。