ボニー・ドゥーン・ヴィンヤードは、サンタ・クルーズ・マウンテンに1982年に創業され、カリフォルニアのセントラル・コーストを拠点に40年以上続くブランドです。創業者は、カリフォルニアでは無名だったローヌ品種に焦点をあてた「ローヌ・レンジャーズ」の元祖と言われるランダル・グラハムです。
ランダルは、ワイン評論家ロバート・パーカーが絶大な影響力がもち、カベルネ・ソーヴィニョンやシャルドネを中心とした有名ブドウ品種のヴァラエタル・ワインがカリフォルニアワインを席巻するなか、自分の好奇心と探求心を追求するワイン造りに没頭しました。当初は、ブルゴーニュのピノ・ノワールのようなワインを造りたいと思いましたが、ブルゴーニュのコピーに何の意味があるのかと思い、カリフォルニアのセントラル・コーストでローヌ品種を使った方が、より個性的で独創的なワインを造るのにはるかに面白いし成功するだろうと考えるようになりました。フラッグシップであるル・シガール・ヴォランは、シャトーヌフ・デュ・パプへのオマージュを抱いて造られたワインです。ル・シガール・ヴォランとは、空飛ぶ葉巻という意味で、1950年代に北米と欧州でUFO目撃騒ぎが社会現象になり、当時のシャトーヌフ・デュ・パプ村長がその村の上空と畑へのエイリアン侵入を禁止するという奇想天外な条例を制定したという出来事にちなんでいます。その他にもランダルは、20年以上前から当時では珍しかったスクリューキャップを取り入れ、ワインの透明性を表す為に成分表をバックラベルに記載してみるなど、新しい挑戦を行ってきました。ランダルは現在もワインメイキング・ディレクターとしてワイン造りに携わっています。近年では、オレンジワインに興味を持ち2021年ヴィンテージをリリースし、1万ケースが6ヶ月で完売するほどの大人気商品となりました。