ウエスト・ソノマ・コースト北西の端にあり、ワイナリーからは遠く離れたアナポリスにある自社畑です。この畑からは鮮やかなルビー色で、野生のイチゴやラズベリー微かなアニスのアロマを蓄えたワインが造られます。味わいはブルーベリーやクランベリー、ベルガモットが幾層にも重なり、よく溶け合った印象。ベースにある酸と絹のような舌ざわりが⾧い後味に加わり、微かな赤粘土や湿った土の複雑味も感じられます。2021年は記憶にある中で最も良いヴィンテージの一つです。凝縮したフレーバーを持つ果実、スムーズに進んだ収穫、そして最も重要なことは、絶妙にバランスの取れた、ニュアンスのある生き生きとしたワインに仕上がったことです。生育期を通じて降雨量が記録的に少なく、寒い冬と相まって芽吹きが遅れました。しかし、冷涼な年明けにもかかわらず、残りのシーズンは温暖で、悪天候に見舞われることはありませんでした。例えば、5月は気温が高く天候が穏やかであったため、開花期間も短くコンパクトで、結実は均一に行われました。果粒は理想的で丁度良い小粒なサイズで、適度なばら房となりました。一方で、夏の涼しい朝と暖かい午後のおかげで、ブドウの木に実った果実はゆっくりと熟して行き、生理学的な熟度も完璧でした。収穫は予定通り9月6日午前12時1分に開始され、順調に6週間続き、エネルギッシュで味わい深いブドウを収穫することが出来ました。1978年ロバート・モンダヴィで最初に醸造に携わったポール・ホブスは、翌79年オーパス・ワンの醸造チームに配属されオーパス・ワンのファーストヴィンテージを仕込み、81年には醸造チームリーダーとなり4年間を過ごします。その後ソノマのシミ・ワイナリーの副社長兼醸造責任者を経て、醸造コンサルタントとして独立。1991年に念願の彼自身のワインを造り始めました。彼の造るワインは世界中の称賛を浴び、天才醸造家として今世紀を代表する醸造家と称されています。
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