1870年からの自社畑。マラーノの標高400mに位置。南向きで日当たりの良い畑。密度のある玄武岩土壌。赤土。10月初旬収穫。12月末まで貯蔵庫にて陰干し。アレーレと呼ばれる伝統的な棚、またはトレイに広げ、30%水分を蒸発させる。サン・ルスティコは、ヴァルポリチェッラ・クラッシコの産地の中でも重要なエリア、マラーノにあります。標高300m程度の丘陵地帯にあるマラーノは、ガルダ湖からの吹き込む風で最良のぶどうが作られます。ヴァルポリチェッラのグラン・クリュのエリアといえる地で、1870年代より栽培・醸造を行う知られざる名門カンティーナです。マラーノにある教会の守護聖人サン・ルスティコが名前の由来で、マラーノの地を大切にしています。家族経営を貫き、現在はカンパニョーラ家の4代目にあたるマルコ氏とエンリコ氏の兄弟が中心となって運営しています。彼らの曾祖父ルイジ氏は創業時からマラーノの可能性を見出し、この地でワインを造り、1906年にはミラノで、1908年コペンハーゲンの国際コンクールで金賞を受賞しました。その伝統は代々受け継がれ、現在でも伝統的な手法で醸造が行われています。ヴァルポリチェッラのテロワールを早くから分析していた創業者ルイジ氏は、畑ごとにぶどうを仕込むクリュの概念を取り入れ、トップ・キュヴェはクリュごとに瓶詰する方法を取り入れました。マラーノは、フマーネやネグラールと並んでアマローネのグラン・クリュのエリアとして知られ、スレンダーなボディに細やかなタンニン、エレガントさと華やかさを兼ね備えた特徴のワインが生産されます。その中でも、サン・ルスティコが所有するマラーノのクリュ、ガッツォ(Gaso/Gazzo)は、その特徴が顕著に現れています。すり鉢型に開かれた形状の土地は一日中日照量を十分に得られ、寒暖差も高く優れ、彼らにとって大変重要な畑です。樹齢約60年以上のコルヴィーナ種をメインとした壮観なテラス式の畑は、まるでコート・デュ・ローヌのコート・ロティやコルナスのような急斜面の畑です。仕立てはペルゴラ・ヴェロネージ、土壌は赤土です。また、他のエリアよりも収量を低く抑えることで、ガッツォのワインは長期熟成に耐える、最高品質のワインになります。彼らはこのガッツォ(Gaso/Gazzo)に約5haを所有し、ここを中心として、現在合計で約22haを有しています。
アマローネはもちろん、ヴァルポリチェッラ・クラシコのノーマル・キュヴェにもふんだんにガッツォ(Gaso/Gazzo)のぶどうを使って造る彼らは、徹底して品質重視の哲学を貫く造り手です。