オルソン・ヴィンヤードは、ヤムヒル・カウンティのダンディ・ヒルズに位置するトリイ・モアの自社畑で、1972年と1983年に植樹され、2005年から2006年にかけて0.6haが追加されました。
火山性のジョリー土壌、南南東の斜面、標高約250mの高さから、美しくバランスのとれたエレガントなピノ・ノワールを生み出しています。
3.8haの畑には、ジ・アイリー、イーラス、クーリーの畑に由来するピノ・ノワールのマサールセレクション、後にポマール、ディジョン 667(一部は2000年にシャルドネに接木)、777、114のクローンが植えられ、さらに0.4haのピノ・グリと0.2haのドレーパー・シャルドネが含まれています。
LIVE認定力強く複雑で甘い、レッドチェリー、バラやスミレの花の香り、軽い土の香りやほのかなカカオの香りを持っています。
フレーバーは明るく甘く、ハイトーンの赤い果実とダークチェリー、花の香り、キャラメル、軽くトーストしたオーク、そして胡椒のようなスパイシーさが混ざり合っています。
テクスチャーはリッチで丸く、甘く、口当たりは明るく、瞬時に心地よく、タンニンは丸く甘く溶け込んでいて、素晴らしいストラクチャーとエレガンスを与えています。
フィニッシュはとても長く、フルーティーでリッチ、スパイシー、そして喜びを長く持続させ、すべてがエレガントで優雅です。
このワインはデキャンタージュの必要がなく、今すぐ楽しむことが出来ます。
2021年の生育期は暑くて乾燥し、天候の変化が大きい年でした。
5月末の異常な寒さと開花前後の比較的涼しい雨期が収量減をもたらしました。
夏の暑さは、平均気温が39度の日が5日間続き、92日間の雨量はわずか0.5mmでした。
乾燥したヴィンテージの中で、病害の心配はほとんどなく、完熟した果実、深い凝縮感、そして程よい酸を保った果実が育ちました。
これらの要因が重なり、濃厚なダークフルーツ、大地の香り、ミネラルのフレーバーに、花や赤い果実のアロマが加わった、非常にバランスのとれたワインが生まれたのです。
収穫は9月13日に始まり、9月29日に終了。
9月24日にBrix22.1から24.5で収穫し、手摘み、選別、除梗後、低温浸漬せずに木製タンクと小さな1.5トンの容器で19日から23日間、RB2とBRG、RC212酵母で発酵し、1日に3回パンチングダウンしています。
ワインは17ヶ月間熟成され、最初の10ヶ月は33.33%のフレンチオークの新樽とニュートラルオークで熟成しました。
樽はマロラクティック発酵後の8月に澱引きされ、ボトリングまでニュートラルな樽に戻されました。
Torii Mor(トリイ・モア)という名前は日本語で神社の入り口に立っている門「鳥居」Toriiと、古代スカンジナビア語で「大地」を意味するMorを合わせたものです。
この二つの異なった言葉を合わせてつくられたトリイ・モアはブドウの樹は大地への神聖な門を通して素晴らしいものを我々にもたらしてくれるということを暗に表しています。
おそらくピノ・ノワールほど栽培されている土地の微妙な意味合いをエレガントに表現する品種はなく、トリイ・モアのピノ・ノワールは大地がもたらしてくれるものに余分なことをしないで純粋に表現する為、人の手の介入を最小限に抑え、天然酵母で醗酵させる等細心の注意を払ってつくられています。
トリイ・モアはワイン、特にピノ・ノワールは人間と自然が相互に協力しあって創り出す値段のつけられない、複製できない芸術作品と考えています。
ワインは家族や友人と一緒に楽しむことのできるアートや物語と同じものであると考える私達に皆さんも同意していただけると思います。
1993年のファーストリリースから「’オールドワールド’スタイルのエレガントなピノ・ノワールを追求する」というビジョンでトリイ・モアはワインを造り続けています。
オーナーのドナルド・オルソン博士は神経外科の医師で現在は疼痛医学を専門としています。
長くブルゴーニュワインのファンであったオルソン博士はオレゴン・ダンディヒルズこそが次世代のピノ・ノワールの聖地であると信じ、1985年にオレゴンワイン黎明期の創設者のひとりJim McDanielから1972年植樹の歴史ある畑と美しい日本庭園を含むワイナリー施設を譲り受けました。
ワイナリー名のトリイ・モアは博士の造語で、ピノ・ノワールの表現するテロワールと大地との結びつきを表しています。
8代続くブルゴーニュのワイン生産者出身のジャック・タルディが2004年からワイン造りを担当し、ジャックの元で働いていたジョン・タマセリが2021年より新ワインメーカーに就任しました。
ウィラメットヴァレーで最もエレガンスを感じるワインと言っても過言ではないでしょう。