仏産樽熟成17ヶ月(新樽約50%) チョーク質の土壌、涼しい環境、急斜面、密植など葡萄の樹にストレスがかかる。堅さを保つミネラル感と秀逸な酸にふちどられた赤系果実のニュアンスが大きく表れる。ダレないしっかりとしたタンニンと大きな円を描く様なふくらみを持つ。余韻にはザクロやスモモのような赤系果実の酸っぱさの印象が綺麗に残る。
リースの葡萄、醸造について(ピノ・ノワール)
リースの葡萄、醸造について(ピノ・ノワール):特徴ある各畑からベストのタイミングで収穫された葡萄は(酸と糖と成熟がバランスし、決して過熟でない)、小さなバスケットで運ばれ(つぶれない)、2010年に完成したセラー(リッジのモンテベロの畑をサン・アンドレアス断層を挟んで見上げる位置にある)に全て冷たい状態で運び込まれる。
葡萄が運び込まれてから、ボトリングされるまで全てがグラヴィティー・フロー(高いところから、低いところに重力に従って運ばれ、ポンプは使わないことにより果汁に余分な負担をかけない)で作業が出来る設計になっている。
ソーティング・テーブルの速度は遅く1トンの葡萄が約一時間かけて選り分けられ、醗酵槽には未熟果や過熟果は入れない。
全房醗酵率はワインによって異なる。
小さなロット毎に醗酵できるように1トン容量のステンレス・オープントップ醗酵槽が約120基も備えられている。(右写真)
醗酵槽は小さいのでフォークリフトで持ち上げることが出来、移動がポンプを使わずに出来る。
全ての醗酵は天然酵母で行われ、各畑により醗酵にも個性があるのが興味深い。
4年天然乾燥(普通は3年以下)の仏産樽を使い熟成期間はワインによって異なる。
ノン・フィルター、人工的な清澄なく瓶詰。
ヴィンテージ情報
2019VTGの始まりはたっぷりとした雨に恵まれた冬で、葡萄の樹は前年の乾燥から逃れ、生き生きと枝葉を伸ばしました。
温かい春には素晴らしい開花と結実が行われ、そのまま順調な夏はたっぷりとした太陽と涼しい気候の両方を受け、葡萄はゆっくりと完璧な成熟を遂げ、秀逸な酸も内包できた。
結果として素晴らしい収穫を迎え、特別なヴィンテージとなった。
テクニカル情報
醸造:1トンサイズの小さいオープントップ・ステンレス・タンク醗酵(全房約50%)、17ヶ月仏産樽熟成(新樽約50%)、ノン・フィルター、人工的な清澄なしにボトリング
テイスティング・コメント
チョーク質の土壌、涼しい環境、ストレスのかかる栽培条件の中で、樹齢が約15年に達したところで、葡萄自体の酸と果実のバランスが非常に良くなった。
特に堅さを保つミネラル感と秀逸な酸にふちどられた赤系果実のニュアンスが大きく表れて来るようになった。
リリースしたてでも、ただ果実が全面に出るだけでなく、レッド・チェリー、プラム、ミント系スパイスのアロマが香り立ち、味わいには複雑なカシス、ブラックベリー、甘いスパイス、土、森林のニュアンスが混ざりあい、ダレないしっかりとしたタンニンと大きな円を描く様なふくらみを持つ。
余韻にはザクロやスモモのような赤系果実の酸っぱさの印象が綺麗に残る。
今十分に楽しめ、5年10年の熟成後も刻々と様々な要素が現れ始め、長い熟成も期待できる
畑情報
アルパイン・ヴィンヤード
サンタ・クルーズ・マウンテンズにあるリースの自社畑。
2004年植樹、5.3ha(うちピノ・ノワール約4.5ha)、標高396m-426m, 急斜面。
土壌は15-50cmの表土の下にプリシマ・フォーメイションと呼ばれる柔らかい海の堆積物土壌=シェール(石灰質とは違うが海のミネラルを多く含む)。
葡萄の根が母岩まで届きミネラル感がたっぷりと出た、複雑で緊張感あるワインとなる。
ピノ・ノワールのクローンはヘリテージとスーツケース。
ヴィンテージ: 2019年
容量: 750ml
タイプ: 赤ワイン
味わい: ミディアム・ボディ
主要品種: ピノ・ノワール100%
原産国名: アメリカ
地方名: カリフォルニア
AVA: サンタ・クルーズ・マウンテンズ/ Santa Cruz Mountains
畑: アルパイン・ヴィンヤード/ Alpine Vineyard
備考: vinous 96P August 2021 by Antonio Galloni、JEB DUNNUCK.com 96P July 2021 by Jeb Dunnuck
ワインメーカー: ジェフ・ブリンクマン/ Jeff Brinkman
醸造: ステンレス・タンク発酵(全房比率50%)
熟成: 仏産樽にて17か月熟成(新樽比率50%)、ノンフィルター
評価: 90P以上
キャップ: コルク
アルコール度数: 13.3%