色は薄いサーモンピンクで、ラズベリー、イチゴ、スイカ、そしてグレープフルーツのやわらかい香りがあります。はっきりとした酸とみずみずし い果実感の味わいの奥には、ミネラル感も感じます。モントレー郡にあるアロヨ・セコAVA の自社畑のブドウを使用。サンタ・ルチア・ハイランズの麓にあるこの畑は砂利交じりの堆積土の平地で、岩が多く水はけがとても良い土壌です。モントレー湾からの冷涼な風がサリナス・ヴァレーを南に向かって吹き付けるので、ブドウの成熟はゆっくりと進み、その結果、果実感がたっぷりしつつもはっきりした酸が残るブドウを栽培することができます。ピノ・ノワールは手摘みで収穫し、穏やかに全房圧搾します。美しい果実の香りを残すためにゆっくりと低温発酵させ、マロラクティック発酵はしません。第一発酵終了後に澱引きをし、その後ステンレスタンクで熟成してから瓶詰めをします。1970 年代にドイツ系スイス移民のニッキーとガビー・ハーン夫妻が設立したワイナリーです。当初、カベルネを植樹し、ワイン造りを始めましたが、寒流の流れる太平洋や海底深く冷たい海水を湛えるモントレー湾の影響を受けるこの地域特性から、1980 年代に入りより冷涼な環境で力量を活気するピノ・ノワールとシャルドネに改植しました。1988 年、この地域のポテンシャルを確信したニッキーは、サンタ・ルシア・ハイランズ(SLH)を AVA に認定してもらう活動を始め、遂に1995 年にAVA に認定されました。現在、サンタ・ルシア・ハイランズはピノ・ノワールを筆頭に高級ワインの名醸地として広く知られています。今日、ハーン・ファミリーはモントレー・カウンティに6 つの自社畑を所有し、SLH に4 自社畑260ha、その南に広がるアロヨ・セコAVA に2 自社畑184ha の畑、合計444ha の自社畑を所有しています。この内140ha はピノ・ノワールが植えられ、SLH 全体のピノ・ノワールの畑の12%を占め、一番のシェアーを持つワイナリーです。また、この地域では一番豊富なクローンの種類を持ち、現在21 の異なるピノ・ノワールを栽培しています。多様性のある土壌、気候、斜面の向きによる日照量、クローンの組み合わせが他には真似のできない素晴らしいピノ・ノワール造りを可能にし、そのピノ・ノワールはそれぞれの自社畑のテロワールの個性を表現しています。この地域では、カリフォルニアの他のブドウ栽培地域より約25 日生育期が長くなり、その結果ブドウは豊富なフレーバー、深み、骨格等を持ち合わせ、凝縮感のある素晴しいワインを生み出します。
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