レモンの果皮、火打石、そしてミネラル感のあるデリケートな香りが味わいへとつながり、熟したメロンの余韻が広がります。ヴァインバーグのシャルドネは通常10%のフレンチオーク新樽で造られ、その結果シャブリのようなスタイルに仕上がります。2月の降雨量は多く、その後春から初夏にかけての日差しは常に弱めな年でした。萌芽時期は平年よりも少し遅かったものの天候は理想的だったので、房数も十分で、実の付きも一定でした。夏になると十分な日差しと海からの影響もあり、ひどい熱波もありませんでした。穏やかな夏とその後の秋の日差しと温暖な気温のおかげで、果実の糖度は徐々に上がりつつ複雑味のあるものに仕上がりました。収穫量は、例年の20‐30%増でした。ヴァインバーグ・ヴィンヤード 100%
カーネロスの平地にあるヴァインバーグ・ヴィンヤードは、ソノマ郡南部のロス・カーネロスAVAにあります。シルヴァラードはこの土地を1999年に購入し、保護することを決めた湿地帯を挟んだ両側に、翌2000年にブドウを植樹しました。複雑さを求めて5種のクローンを2種の異なる台木に接木し、凝縮した風味を求めて1本あたりの収量が低くなるよう、間隔を狭めて植樹しました。土壌+気候
以前は砂質で石の多いリンゴ畑だったヴァインバーグ・ヴィンヤードは、現在ではワチカ・ローム、ライト・ローム、そしてリバー・ウォッシュと呼ばれる土壌に植樹されています。また、サン・パブロ湾から常に流れてくる海風が、残糖の量にかかわらず爽快な酸をもたらします。地中海スタイルの石で造られたこのワイナリーはウォルト・ディズニーの娘、故ダイアン・ディズニー・ミラーとその夫ロン・ミラーにより1981 年に設立され、スタッグス・リープ・ディストリクトの中心にあるシルヴァラード・トレイル脇の小さな丘に建てられています。シルヴァラードとは現在のワイナリーの付近にあった廃鉱となった銀の鉱山の名前に由来しています。
1970 年代の半ば、ロンとダイアンは土地を購入し、ナパのスタッグス・リープ・ディストリクトへ移住することを決めました。その後、彼ら自身で育てたブドウの品質と恋に落ち、1981 年にワイナリーの建築を始めました。彼らは、ナパ・ヴァレーのシルヴァラードが生産できる最高のワインを適切な価格で市場に出すことを決めました。今日、「シルヴァラード・ヴィンヤーズ」の名はミラー家の長期に渡るナパ・ヴァレー・ワインへの貢献・献身を象徴しています。スタッグス・リープ・ディスリクトは、ナパ・ヴァレーで最も小さいAVA の一つであると共に、最も有名なワイン生産地域の1 つです。1976 年、あのパリティスティングでカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニョンがフランスのグランヴァンを押さえ一位の栄光を勝ち取りました。そのカベルネ・ソーヴィニョンに使用されていたのがこのスタッグ・リープ・ディストリクトのブドウです。当時ハリー・シー氏(See’s Candy)が所有していた畑のカベルネがこのブレンドに使用され、その後1968 年にシー氏はその畑をロンとダイアンに売却しました。シルヴァラードはこの土地をフラッグシップの畑としています。最新設備を備えているワイナリーでは、収穫されたブドウは細心の注意を払われながら小ロットで醸造され、その手工芸的に造られたワインはシルヴァラードの土地、哲学、ワインのスタイルを反映しています。 品質への絶え間ない追求のために、シルヴァラードは常に栽培と醸造の研究・開発に努め、ブドウ樹のスペーシング、仕立て方、台木の選択、新しい酵母、オーダーメードの樽、そしてより優しいプレスの工程を実現するための最新設備の導入など常に改善・向上を目指しています。シルヴァラードは現在7 つの自社畑を所有し、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ、メルロ、サンジョベーゼ、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニョンを栽培しています。それぞれの畑の土壌、気候、ブドウ品種などに合わせそれぞれ異なる栽培方法を採用しています。シルヴァラードのワイン造り理念はブドウ畑に根ざしています。ワイン・マスターの
ジャック・スチュアートは、“ ワインの価値はそのブドウが栽培された畑によって決まる。結局、私達の評価を決めるのは畑の品質なのです。” と述べています。