このワインは、ニワトコの花、オレンジの花、レモンの香りに続いて、アロマティックな杉の香りが感じられます。
フレーバーは、鮮やかな酸味とミネラル感があり、白桃や洋梨の風味が花や柑橘系の旨味と調和しています。
ワインのテクスチャーは明るくリッチで、最初から最後までジューシーな酸味が続きます。
フィニッシュは長く、レモンやグレープフルーツの香りが持続し、ドライなミネラル感が残ります。
畑トゥクウィラ・ヴィンヤードは、ダンディ・ヒルズAVAの標高91~107mの低斜面にあり、土壌は玄武岩質、ジョリー、沖積のウッドバーンが混在しています。
トゥクウィラ・ヴィンヤードは、1990年代に植えられました。
気温が上昇し、9月に少雨が降ったものの、非常に乾燥した夏となりました。
ウィラメット・ヴァレーの春先は雨が多く、気温が低かったため、芽吹きは10日以上遅れました。
しかし、5月には27度から32度という非常に暖かい時期もあり、その結果、芽吹きは遅かったものの、開花は早まりました。
このため、オレゴン州のほとんどの栽培地では、芽吹きから開花までの期間が過去最短となりました。
7月の気温は一貫して高かったものの、過度に暑くはありませんでした。
8月13日から16日にかけて熱波が到来し、記録上最も暑く乾燥した8月となり、生育期を前倒ししました。
気温が高かったため、収穫は9月18日から10月2日までの早い時期に行われました。
2023年のピノ・ブランはこの年で一番早く収穫したブドウで2023年9月20日にブリックス20.6で収穫しました。
プレス後ステンレス・タンクに澱引きし、D47酵母を植えつけ、40日間発酵させました。
マロラクティック発酵は行わず、瓶詰め時に澱引きし、無菌フィルターを通しました。
Torii Mor(トリイ・モア)という名前は日本語で神社の入り口に立っている門「鳥居」Toriiと、古代スカンジナビア語で「大地」を意味するMorを合わせたものです。
この二つの異なった言葉を合わせてつくられたトリイ・モアはブドウの樹は大地への神聖な門を通して素晴らしいものを我々にもたらしてくれるということを暗に表しています。
おそらくピノ・ノワールほど栽培されている土地の微妙な意味合いをエレガントに表現する品種はなく、トリイ・モアのピノ・ノワールは大地がもたらしてくれるものに余分なことをしないで純粋に表現する為、人の手の介入を最小限に抑え、天然酵母で醗酵させる等細心の注意を払ってつくられています。
トリイ・モアはワイン、特にピノ・ノワールは人間と自然が相互に協力しあって創り出す値段のつけられない、複製できない芸術作品と考えています。
ワインは家族や友人と一緒に楽しむことのできるアートや物語と同じものであると考える私達に皆さんも同意していただけると思います。
1993年のファーストリリースから「’オールドワールド’スタイルのエレガントなピノ・ノワールを追求する」というビジョンでトリイ・モアはワインを造り続けています。
オーナーのドナルド・オルソン博士は神経外科の医師で現在は疼痛医学を専門としています。
長くブルゴーニュワインのファンであったオルソン博士はオレゴン・ダンディヒルズこそが次世代のピノ・ノワールの聖地であると信じ、1985年にオレゴンワイン黎明期の創設者のひとりJim McDanielから1972年植樹の歴史ある畑と美しい日本庭園を含むワイナリー施設を譲り受けました。
ワイナリー名のトリイ・モアは博士の造語で、ピノ・ノワールの表現するテロワールと大地との結びつきを表しています。
8代続くブルゴーニュのワイン生産者出身のジャック・タルディが2004年からワイン造りを担当し、ジャックの元で働いていたジョン・タマセリが2021年より新ワインメーカーに就任しました。
ウィラメットヴァレーで最もエレガンスを感じるワインと言っても過言ではないでしょう。