2021年ヴィンテージは干ばつの年とされ、通常ワインにとって素晴らしい品質であることが証明されている。シーズンは3月初旬の芽吹きから始まり、完璧な開花とブドウの房の結実が始まる春を迎えた。夏もかなり暖かく長かった。収穫の秋は早目に訪れた。旱魃のため収量は少なかったが、果汁と果皮の比率が完璧で濃縮あふれる味わいのブドウが育った。夏の天候が安定していたため、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、マルベック、プティ・ヴェルドが9月下旬から10月にかけて成熟し、収穫期を終えることができた。
早朝に手摘みで収穫されたブドウは丁寧に除梗され発酵へ。4-7日間華氏45℃のタンクで低温浸漬され、色、アロマ、風味の抽出を高めた。厳選された酵母を加えた後、ブドウのマスト(果汁、果皮、種)を華氏82度で発酵させた。1日2回のポンプオーバーを繰り返し、均等に均すことで健全な発酵を促した。発酵とプレスの後、50%新樽のフレンチオークと50%ニュートラルオークで20ヶ月間熟成された。
果実の凝縮感にあふれ、バランスの取れたヴァレーフロアの典型的なカベルネ。甘いブラックベリー、ドライイチジク、ブラックチェリーの果実味の中に香ばしいバニラやシガーボックスのニュアンス。豊かでベルベットのようなタンニン、ダークチョコレート漬けチェリー、ブラックプラム、ミックスベリーパイ、トーストしたクルミと複雑な層のフレーバーが現れる。2040年位までセラーでの熟成が可能。
ナパ・ヴァレーを訪れたことのある人であれば、国道29号線沿いにある街ラザフォードのモダンな黄色いワイナリーの建物に見覚えがあるかもしれません。ホワイトホールレーンは、1979年のワイナリー設立以来、主にヴァレーフロアの自社畑のブドウを使い、高品質のワインを造り続けてきた歴史ある名門ワイナリーです。畑自体は1800年代後半に開墾され、畑の南側の地域名から名づけられたホワイトホールレーンは、1993年にレオナルディーニ家によってそのレガシーを受け継がれました。
ワイン愛飲家であるオーナーのトム・レオナルディーニ(TomLeonardini)はこのワイナリーが売りに出た際、畑のクオリティを確信し購入を即決、このビジネスの成功を心に誓い、家族と共に大きくしていきました。より高品質のワインを目指し、最新技術を駆使し自社畑の土壌分析や土の保水量の計測を行ったり、赤外線カメラによる航空写真でブドウの成長や成熟度を計測するなど様々な方法を取り入れました。これらのハイテク技術の情報に加え、ヴィンヤードマネジャーやワインメーカーらが畑を日々訪れ、実際にその品質や成長を確認することで、高品質なブドウが生産されています。彼らのたゆまない努力は、ワイン・スペクテイターの年間TOP5に5年間のうち3度も輝き、ワイン&スピリッツの“ベスト・ワイナリー・オブ・ザ・イヤーに選ばれるなど、その実績を広く認められています。
ホワイトホールレーンの自社畑はワイナリーのあるラザフォードを中心に6つのうち5つはヴァレーフロアにあり、温暖な気候と砂利の多い土壌を利用し、それぞれの畑に適したクローンや品種を丁寧に選択し、カベルネ・ソーヴィニヨンをはじめ、メルロー、ソーヴィニヨン・ブラン、オレンジ・マスカットなどを栽培しています。
2016年よりワインメーカーに就任したジェイソン・モルトン(JasonMoulton)は、ニュージーランドでワイン醸造学を学んだ後、ナパ・ヴァレー以外にカナダ、フランス(ボルドー地方)、南アフリカなど様々な地域でその研鑽を積みました。PhilippeMelkaやDavidRameyなど著名なワインコンサルタントとの経験も持ち、オールドワールドとニューワールドの両方の知識や経験をもとに、ホワイトホールレーンのワインを更なる高みにけん引していきます。