サンタ・バーバラでウニ漁を行う海女のステファニー・ムッツ女史が獲るウニからインスピレーションを得て実現した”ウニ”。ステファニーが獲る濃厚な味わいのカリフォルニア産ウニにマッチする味わいを目指し、ストルプマンのチームは、濃厚なコクとバランスの良い酸味を兼ね備えたルーサンヌ・シャルドネブレンドを生み出しました。
ルーサンヌはとても手のかかる子供のようなもので、沢山の愛情を与えてあげなければ育たない品種です。熟すのが大変ゆっくりで、ばらばらと不揃いなことで知られています。そのためストルプマン・ヴィンヤーズでは、外側のブドウが熟したら、すべての房をスタッフが手で回し、内側のブドウが均一に熟すようにしています。リッチで快楽的なルーサンヌに、早摘みのシャルドネが生き生きとした酸味を加えています。
ゴールデンパイナップル、白い花、梨のアロマにタンジェリンの柑橘系の深みが加わり、鼻をくすぐるように豊かなフレーバーが広がる。フレッシュで歯ごたえのある酸が肉厚で濁った質感の下にゾクゾクするような切れ味を与えている。このようなコーティングされた白ワインに、これほどの活力とエネルギーを見出すことは稀である。
澱引きをしていない「にごり」スタイルのワインのわずかな濁りが、洋梨のような不思議なテクスチャーをもたらしている。
「カリフォルニアで最高のシラーを造るなら、ストルプマンのブドウで」-ローヌ品種のワイン造りを目指す醸造家たちの間ではいつしか合言葉のようになったほど、ストルプマンヴィンヤードは上質なシラーを生産することで知られています。
過去に13度もパーカーから100点を獲得した「シネ・クア・ノン」にも使われることで知られる彼らのシラーは、地元のオーハイ・ヴィンヤードなど著名なワイナリーがこぞって買い付けていて、自社のワインを生産するようになった現在も他のワイナリーへ供給を続けています。
25年前、設立者のトム・ストルプマンは長く探し求めていた石灰質の土壌のこの土地をサンタ・イネス・ヴァレーで見つけ、ドライファーミングを行ってきました。霧が湿度を保ち、気温が夜はとても低くなることなどに加え、地中90mほどまで続くライムストーン層が地表1m程度の粘土質で覆われていることがドライファーミングに好条件となっています。植えてから最初の5年程度は幹や根を育てるために灌漑をしますが、その後1,2年の離乳期間を経て、灌漑をストップします。それにより根は地中深くまで伸び、栄養分や水分を自ら求めるようになります。ブドウはそれまでの実果のサイズを記憶していて、数を減らしてでもそれまで作ってきた房の大きさになるよう、自らの力で成熟していくのです。
バラード・キャニオン
2013年に正式にAVAとして認定されたバラード・キャニオンはストルプマンを筆頭に、多くのワイナリーがシラーを栽培しています。現在AVA全体の60%がシラー、20%がグルナッシュやルーサンヌなど、ローヌ品種が栽培されています。
高品質のシラーを栽培する同AVAの8生産者は、”BallardCanyon”の文字をボトルネックにぐるりと彫り込んだ共同のボトルを使用しています。個のボトルがバラード・キャニオンのシラーの美味しさを世界中に示すようになる日も間もなくでしょう。
LaCuadrilla
ラ・クアドリーヤは1994年からストルプマンの畑の管理を行うルーベン・ソラザーノとそのチーム、そしてワイナリーの共同事業で、それぞれのクルーは自分たちにまかされた畑のブドウを使い、ラ・クアドリーヤを造ります。この収益は年末のボーナスの一部に充てられ、直接自分たちに還元される仕組みとなっています。それぞれがプロ意識を持ち、生産するワインこそが、まさに畑で造られるワインと言えるでしょう。
Combe
“ニューカリフォルニアスタイル”と呼ばれる新潮流を築き、近年注目を集めるラジャ・パーとピーター・ストルプマンのプロジェクト“Combe”。
ストルプマンの畑のブドウを高く評価していたラジャがピーターを説得し、カリフォルニアではマイナーな品種を中心に造る少量生産のワインです。ラジャ・パーの斬新なアイデアとその希少性、そしてワイン自体の高い品質は世界中のソムリエたちに絶賛されています。トゥルソーやシュナン・ブラン、ガメイなど、わくわくするようなプロジェクトが進行中です。