サンジョヴェーゼとジンファンデルが植えられているヴァカ山脈の西側にある畑。エレガントなスタイル。ワインは濃いルビー色で、挽きたての黒胡椒や野生のベリーのアロマがあり、旨味を感じるようなスパイシーなニュアンスがあります。冬の降雨量、春の低温、夏の高温、そして10 月の森林火災と、2017 年は今までのどの年よりも思い出に残る一年でした。冬の間十分に降った雨は地下水とブドウの根を甦らせ、そして低温で穏やかな春へ。6 月初旬に珍しく雹が降りまし
たが、ブドウの収穫高には影響はありませんでした。夏は温度が高めだったこともあり、10 月8 日に山火事が起こる前までにナパ・バレーの90%のブドウは収穫が終わっていました。死者も出て家屋も破壊されたひどい災害でしたが、ナパ・バレーのワイン産業、ワイナリー、そしてブドウ畑は最悪の状態からは免れられました。カリフォルニアにおけるジンファンデルの歴史と畑の個性が感じられる1 本。ジンファンデルは 1800 年代半ばにカリフォルニアで初めて植樹されたと言われており、このソーダ・クリーク・ランチにも同じ頃にジンファンデルが植えられました。ワイナリーの東のごつごつした丘に隠れるようにソーダ・クリーク・ヴィンヤードがあります。現在この畑にはナパ・ヴァレーの由緒ある数々のジンファンデルの畑から接木した物が植えられていて、ナパの高温少湿の気候に耐性を持っています。痩せた土壌とこの畑の立地条件が、収穫を自然に抑制します。地中海スタイルの石で造られたこのワイナリーはウォルト・ディズニーの娘、故ダイアン・ディズニー・ミラーとその夫ロン・ミラーにより1981 年に設立され、スタッグス・リープ・ディストリクトの中心にあるシルヴァラード・トレイル脇の小さな丘に建てられています。シルヴァラードとは現在のワイナリーの付近にあった廃鉱となった銀の鉱山の名前に由来しています。
1970 年代の半ば、ロンとダイアンは土地を購入し、ナパのスタッグス・リープ・ディストリクトへ移住することを決めました。その後、彼ら自身で育てたブドウの品質と恋に落ち、1981 年にワイナリーの建築を始めました。彼らは、ナパ・ヴァレーのシルヴァラードが生産できる最高のワインを適切な価格で市場に出すことを決めました。今日、「シルヴァラード・ヴィンヤーズ」の名はミラー家の長期に渡るナパ・ヴァレー・ワインへの貢献・献身を象徴しています。スタッグス・リープ・ディスリクトは、ナパ・ヴァレーで最も小さいAVA の一つであると共に、最も有名なワイン生産地域の1 つです。1976 年、あのパリティスティングでカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニョンがフランスのグランヴァンを押さえ一位の栄光を勝ち取りました。そのカベルネ・ソーヴィニョンに使用されていたのがこのスタッグ・リープ・ディストリクトのブドウです。当時ハリー・シー氏(See’s Candy)が所有していた畑のカベルネがこのブレンドに使用され、その後1968 年にシー氏はその畑をロンとダイアンに売却しました。シルヴァラードはこの土地をフラッグシップの畑としています。最新設備を備えているワイナリーでは、収穫されたブドウは細心の注意を払われながら小ロットで醸造され、その手工芸的に造られたワインはシルヴァラードの土地、哲学、ワインのスタイルを反映しています。 品質への絶え間ない追求のために、シルヴァラードは常に栽培と醸造の研究・開発に努め、ブドウ樹のスペーシング、仕立て方、台木の選択、新しい酵母、オーダーメードの樽、そしてより優しいプレスの工程を実現するための最新設備の導入など常に改善・向上を目指しています。シルヴァラードは現在7 つの自社畑を所有し、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ、メルロ、サンジョベーゼ、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニョンを栽培しています。それぞれの畑の土壌、気候、ブドウ品種などに合わせそれぞれ異なる栽培方法を採用しています。シルヴァラードのワイン造り理念はブドウ畑に根ざしています。ワイン・マスターの
ジャック・スチュアートは、“ ワインの価値はそのブドウが栽培された畑によって決まる。結局、私達の評価を決めるのは畑の品質なのです。” と述べています。