明るいルビー色。クラシックな赤い果実の風味がチェリー・コーラ、タイム、ローズマリーの層へと変化し、しなやかなテクスチャーに包まれる。このヴィンテージはリリース直後は控えめだが、時間とともに華やかで大胆な果実のキャラクターが現れる。7‐8年寝かせた後の変化が楽しみでたまらない。
100年続く農家の3代目としてジャガイモや豆を栽培していたゲイリー&ロゼラ・フランシオーニ(Gary&RosellaFranscioni)は、サンタ・ルシア・ハイランズのブドウ栽培地域としてのポテンシャルに気づき、1996年シャルドネとピノ・ノワールの栽培を始めました。近隣の旧友ゲイリー・ピゾーニ氏は彼らに自身が栽培するピゾーニ・クローンを株分けし、彼らの高品質なブドウはテスタロッサやコスタ・ブラウンなど高級ワイナリーに買い取られていきました。2001年の初VTGから高い評価を受け、2007年にエド・カーツマン氏が醸造を担当すると増々その知名度は上がり、米国内でも入手が難しいワインとなりました。
ロアワインズは、ワインの評価機関から大変高い評価を受けるワイナリーですが、家族経営を貫き、規模は決して大きくありません。真摯に土地と向き合う両親の姿を見て育った二人の息子は、アダムが畑の管理担当、ニックが醸造担当としてそれぞれワイナリーを支えています。現在ロアでは自社畑以外に、ゲイリー・ピゾーニと共同で所有する畑も含め、5つの畑のブドウでワインを生産、醸造はスコット・シェイプリー(ScottShapely)が担当しています。シェイプリーはシドゥーリでワインメーカーを勤めた経験を持ち、ロアがワイン・スペクテイターの「TOP100」に選ばれた2012年にファミリーに加わりました。家族経営を貫くフランシオーニ家では、畑の管理からブレンドの調合まで全て家族全員で話し合いますが、最終的な決定権はロゼラにあるようです。