モントレー湾からサリナス・ヴァレーに入り込む冷涼な風を受けるため、サンタ・ルシア・ハイランズはシャルドネの栽培に最適な場所である。23年VTGは50%を有機およびサスティナブル農法の認証を持つ自社畑「ダブル・Lヴィンヤード」から、残りは近隣のマッキンタイアとトンドレ・ヴィンヤードのブドウを使った。
2023年は寒さは通常であったが、歴史的な大雨に見舞われ、モントレー郡の降雨量は平均を40%上回った。そのため発芽も遅く、日陰をコントロールしうどん粉病を避けるためのキャノピーマネージメント策を講じ、健全な収穫量を確保した。
収穫は9月21日に始まり、11月8日に終了した。
ブドウは手摘みで収穫され、畑で選果された。全房プレスによりフレッシュな酸味と果実味を保つ。樽発酵は25%新樽のフレンチオークで、野生酵母と培養酵母の両方を使用。マロラクティック発酵によりシルクのようなコクとしっかりとしたボディを確保した。
フレッシュでアロマティック、明るい酸味とエレガントなテクスチャーを持つ。
エレガントでありながら凝縮感のある果実味を持つシャルドネ。レモン、洋ナシ、ベーキングスパイスのアロマとパイナップル、レモンカード、ほのかなバタースコッチのフレーバーが印象的。白身魚、鶏肉などの料理を引き立て、軽めのパスタにもよく合う。
幅広い料理とマッチし、特にクリームソースのパスタ、ローストポーク、シーフードとは完璧な相性。
ダン・モーガン・リー(DanMorganLee)はサンタ・ルシア・ハイランズがAVAとして承認される前からこの地に注目し、良質のブドウを購入していました。モントレー湾からの冷涼な風により果実の生育期間が長いサンタ・ルシア・ハイランズは、1991年AVAに認定されたモントレーを筆頭する産地です。
もともと獣医学を勉強していたリーは、カリフォルニア州立大学ディビス校(UCデイヴィス校)に在学中ワインの醸造学と出会い、ワイン造りを決意しました。いくつかのワイナリーで修業を積んだ後、1982年モーガンワイナリーを設立したリーは、現在モントレー地区で最も良質で安定したプレミアムワインの生産者の一人として知られています。1996年に65エーカーの畑を購入し、双子の娘を授かった幸運にかけダブル・L(Lucky)ヴィンヤードと名付けました。購入当初は必ずしも理想的とは言えない土壌でしたが、あえて自ら土壌を改善する道を選び、2001年ダブル・Lヴィンヤードはサンタ・ルシア・ハイランズでは初めて有機栽培農地として認められました。環境に真剣に取り組むリーは有機的、かつ節水、省エネルギーな方法で畑を管理しています。そのため「SIP–SustainabilityinPractice※(持続的環境保全型ワイン生産)」としても認められており、サンタ・ルシア・ハイランズでは両方の承認を持つ唯一のワイナリーです。
モーガンでは、ダブル・Lヴィンヤードのほか、ギャリーズヴィンヤード、ロゼラズヴィンヤードなど一流栽培家のブドウを使い高品質なワインを生産しています。「テロワールの持つ特性、そしてぶどうの品種の特徴が忠実に反映されたワインを造ることこそが自分のゴールである」と、リーは語っています。
※ワイン・インスティテュートとブドウ栽培家組合が共同で、「カリフォルニア環境保全型ワイン連盟」を設立し、ワイナリーやブドウ栽培農家の取り組みを認証する仕組みです。
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