「マイケル・マラ・ヴィンヤード」はマサイアソン夫妻とアイデル・ファミリー・ヴィンヤーズが共有で所有している畑で、ソノマの町の西部、ソノマ・マウンテン山脈の麓に位置します。
周囲の他の畑は通常のローム土壌ですが、「マイケル・マラ・ヴィンヤード」だけは地殻変動で起きた地滑りで形成されたごつごつとした岩質で、赤い火山性土壌から成っています。
この畑のブドウからはマサイアソンとアイデル・ファミリーが自社畑のワインを造っている他、アルノー・ロバーツやケスナー、ブロック・セラーズ、ローランド・テブス、そしてスコリウム・プロジェクト等、カリフォルニアを代表する著名生産者達がワインを生産しています。
この「マイケル・マラ・ヴィンヤード」は、マサイアソン夫妻にとって血と汗と涙の結晶です。
スティーヴの栽培コンサルタントとしての20 年間の経験の中で、最も岩がゴロゴロとしていて作業がしにくい畑でした。
畑の開拓にかなりの資金と時間がかかり、自分たちでワインを造ると、また更に資金が必要になる理由から、最初の数年は実ったブドウのほとんどを売る以外に方法がありませんでした。
そんな最中、自分たちの為に少量キープしたブドウから造ったワインを口にした時、初めて努力が結果と夢に結びついた気がしたのです。
オーナー醸造家のスティーヴ・マサイアソンはナパ・ヴァレー屈指のヴィンヤード・コンサルタントです。
彼のクライアントにはアイズリー、シャペレ、スポッツウッド等があり、バランスの取れたブドウ造りに定評があります。
マサイアソンは完全家族経営の小さなワイナリーです。
スティーヴが造る白ワインはイタリア・フリウリ地方のワインがモデルで、赤ワインはボルドー・スタイルが中心です。
畑(現場)出身の現場主義であり、畑の作業は可能な限り全て自分で行います。
そして、スティーヴはワインの味わいを決定する重要な要素である収穫時期を通常より 3 ~ 4 週間早めることを好み、カリフォルニアワイン業界全体を驚かせています。
2014 年には、アメリカの有力紙サンフランシスコ・クロニクルの「Winemaker of the Year」に選ばれ、今後の活躍が期待される敏腕若手醸造家です。
スティーヴ・マサイアソンにとって、ワインを造るという事は、畑仕事の延長にしか過ぎません。
マサイアソンで使われるブドウはナパ・ヴァレーとソノマ・ヴァレーの畑から収穫され、どれもスティーヴ本人が生育期を通して栽培を管理する畑です。
スティーヴはブドウ品種が本来持つ個性や香りをワインにそのまま反映させるスペシャリストです。
彼は、どこにでもあるようなシャルドネやカベルネ・ソーヴィニョンはもとより、リボッラ・ジャッラやレフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソのような、普段ナパ・ヴァレーでは、あまり見かけない品種も得意とします。
どんな品種であっても、彼の仕事は、ただひたすらそのブドウが育つ土壌と品種の個性をワインに反映させることです。
マサイアソンのワインの特徴は、お食事に合わせる事を前提とした爽快感と、通常のカリフォルニアワインよりも低めのアルコール度数です。
畑それぞれに適した栽培農法を用いることによって凝縮感のあるブドウを育て、醸造家としての自己顕示欲を極力抑え、ブドウの個性を尊重することによりアロマティックな香りに包まれたバランスの良いワインを造ることが可能になります。
カリフォルニアにおいて優れたバランスを持つシャルドネとピノ・ノワールを探求する組織として一世を風靡した「In Pursuit of Balance (IPOB)」の元メンバーであり、ヨーロッパを思わせるエレガントで鮮やかなワインを造ることに定評があります。