Wine Enthusiast 誌において、ロマネ・コンティやト・カロンとならぶ世界のトップ10ヴィンヤードに選ばれ、オレゴンの一流ワイナリーがこぞって購入を希望する畑がこのシェイ・ヴィンヤードです。
驚くことに1989年植樹のこの畑は当初は人気がなくブドウは安売りされる寸前でしたが、この畑の潜在価値を高く評価し、リスクも顧みずこの畑に時間と投資をして質を押し上げたのがケン・ライトなのです。
魅力的なハニークリスプりんご、ラズベリー、チェリー・タルトが、シナモン、カルダモン、アニスといったベーキングスパイスと踊ります。
美しくバランスの取れた口当たりで、温かみのあるミルクチョコレートのようなフィニッシュです。
この年の収穫量は平均3トン弱で、生育期間中に記録的な暑さに見舞われた割には完璧でした。
夏場の乾燥により病害は皆無で、発酵も完璧に進み、一度も脇道にそれることなく、無事に終了しました。
ケン・ライトは2015年にオレゴンで初めてワインスペクテーターの表紙に取り上げられ、オレゴン・ピノノワール業界におけるその功績と地元での慈善活動が9ページにわたり紹介されました。
シングルヴィンヤード・ワインを得意とし、40年にわたり世界中で彼のワインは称賛され続けています。
ピノ・ノワールという品種は私たちの知るどの食べ物とも飲み物とも異なり、私たちと「畑・大地」を結びつける素晴らしい力を持っています。
それはまるで真っ白なキャンバスのようにブドウがそれぞれの土地の香りやフレーバーを吸収し表現するとケンは語ります。
ウィラメットヴァレーAVAは全て同じではなく、サブAVAを制定し、細分化の必要性を最初に説いたのもケンでした。
ケン・ライトがいなければ、今日のオレゴン・ピノノワールがここまで特殊性を持つこともなかったでしょう。
ケンはピノノワールの個性と土壌の関係性も明確にしており、海洋性堆積物土壌のピノはフローラルでスパイスにフォーカス、火山性堆積物の土壌ではより果実味に富んだワインに仕上がる傾向にあると述べています。