比較的暑かった夏のため、ブドウの葉も良く成長し、しっかりとしたキャノピーを作り、日差しから果実を守った。8月の後半気温がかなり上がったため、収穫はスピーディーに一気に進んだ。9月の第1週目にはすべての白ワイン用の収穫は終えていて、これはエバレー史上最速であった。
収穫、選別、除梗までは全て手作業で行う。スキンコンタクトのままコールドソークで4時間、アロマとフレーバーを凝縮させる。プレスをするものとフリーランにジュースを分け、48時間冷却し、酵母を加え発酵が始まる。発酵後、半分はステンレスタンクのまま、残りはフレンチオーク(新樽25%)に移す。8週間の間週に2回掻き混ぜ、シュール・リーで6か月熟成。ステンレスタンクのものと樽のものを合わせフィルタリングして壜詰めへ。
爽やかなマイヤーレモン、リンゴの花のアロマ、ブリオッシュ、トフィー、パイ生地や白桃のフレーバー。滑らかな口当たり、軽くトーストした香ばしいオーク香、微かな塩味が美しく融合し抜群のバランス。
アーモンドスライスと共にグリルしたサーモン、クラブケーキ、リンゴを添えたポーク・テンダーロインなどとのペアリングがお薦め。
パソ・ロブレスのワイン産業におけるパイオニアの一人であるギャリー・エバレー(GaryEberle)は、自身のワイナリー設立と同時にパソ・ロブレスがアペレーションとして認定されることにも大きく貢献しました。エバレーは当時まだあまり流通していなかったシラーに着眼し、これをカリフォルニアに広めました。もとはタン・レルミタージュのシャポティエで栽培されていたカリフォルニア州立大学デイビス校所有の苗木を基に、20エーカーの畑にシラーのクローン株を植え、1978年にアメリカで初めてシラー100%のワインをリリースしました。彼の新しい試みは徐々に周りのワイナリーも注目し始め、今日パソ・ロブレスはローヌ系ブレンドのプレミアムワイン生産地として、その地位を確立しています。パソ・ロブレスのアぺレーションを知り尽くしたエバレーのプロデュースするワインは、すべにその名が記されています。
“ワイン造りはアートであり、サイエンスでもある”
エバレーワイナリーのワインメーカー/パートナーでもあるベン・メイヨ(BenMayo)は、まさにこの言葉を体現しています。エバレーで10年近くキャリアを持つメイヨは、ワインメーキングを終わりのない未完成品と捉え、毎年の収穫を心待ちにしています。収穫まではサイエンスがものを言い、ブレンディングや、いかに美しいワインを造りだすかは自分の美的感覚を信じるしかないと語ります。メイヨ自身の芸術的センスとサイエンスのバックグラウンドを巧みにブレンドし、毎年高い評価を受けるワインを生み出しています。