しなやかさ、柔らかさ、酸味があり、溶けたタンニンと酸の骨格のバランスがとても良い。シャトー・ド・ミルリーは2022年9月に発表されたサン・テミリオンの格付けで、サン・テミリオンのプルミエ・クリュ・クラッセAに昇格したことで注目を集めるシャトー・フィジャックと同じマノンクール家が所有する僅か0.82haの小さなシャトーです。1942年にティエリー・マノンクールの祖母が第2次世界大戦時、兵役の報酬で畑を購入しました。祖母は息子の無事の帰還を願って、サン・テミリオンの東にある高原の小さな小枝に希望を込めました。戦争から戻ったティエリー・マノンクールは、農業工学の学位を取得し、シャトーのテロワールの優れた品質を見極め、畑にあった樫の木をモデルに自らラベルをデザインしました。現在は娘のブランディンヌ・ド・ブリエ・マノンクールがシャトーを引継ぎ、シャトー・フィジャックも手掛けるフレデリック・ファイエが社長兼醸造責任者を務め、今日に至るまでシャトー・フィジャックのチームが栽培と醸造を手掛けています。シャトーはサン・テミリオンの東部、サン・クリストフ・デ・バルドのコミューンに位置しています。なだらかに傾斜した粘土石灰岩の土壌、作付面積は0.82ha、栽培比率はメルロー95%、カベルネ・フラン5%。平均樹齢は35年、植樹4,000本、生産量は4,000~4,500本です。収穫に関しては2015年から2回に分けて実施し、発酵槽も2つに分け、ソフトな圧縮でSO2添加量をを減らすなど、より良い変革をしています。数年前からフレンチオーク(新樽比率80~100%)熟成に移行。その結果、魅力とまろやかさに満ちた美しいメルロー主体のワインが出来上がり、ふくよかなタンニンと美しいテクスチャー、余韻が長く今飲んでも素晴らしい品質ですが、長期熟成のポテンシャルも十分に秘めた素晴らしいワインに仕上がりました。マノンクール家のワインの特徴であるフレッシュさ(みずみずしさ)とフルーツ感があり、ピュアな味わいを常に追求しています。シャトー・ド・ミルリーはもともとは販売用ではなく、マノンクール家の家族や親しい友人と楽しむための自家消費用ワインとして、ボルドーネゴシアンには販売せず、門外不出のワインでした。このワインをみんなに飲んでもらおうとパートナーにしたのが、パリで創業した老舗ワインショップ、ルグラン・フィーユ・エ・フィスです。日本への輸出は極わずか、ぜひこの隠れた秘宝をお愉しみください。
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