圧倒的な世界観をローヌ品種で表現するスペシャリストが造るシラー。
ブドウは100%除梗したものと、33%ホールクラスターのものを併せて9トンのオープントップタンクへ。パンチダウンとパンプオーバーを丁寧に行った。
アサイー、ザクロ、ペッパーのフレーバーに、グリーンオリーブ、オレガノ、シダーのアロマが広がる。深紅のバラの花びらを思わせる深みがあり、この上なく美しいシラーである。
サン・リージュ(主従なき関係)は自分自身の自立へのあくなき追求であり、同時にローヌ・ヴァレーの伝統とニューワールドにおける自由と、どのような距離を保つかを意味しています。サン・リージュ/グラウンドワークのオーナー兼ワインメーカーであるカート・シャクリン(CurtSchalchlin)は、ワイナリーの名前の意味をこう説明します。ビジネスを専攻していた学生時代にワインの醸造と出会い、その魅力に取りつかれたシャクリンは、2003年に初めての自身のラベルをリリースしました。ローヌ系品種に大きな魅力を感じ特化してワインを生産するシャクリンは、その伝統に縛られることもなく、かといって突飛なことをすることもありません。サン・リージュは、ローヌブレンドを中心に、グランドワークはローヌ系の単一種でワインを造っています。
パソ・ロブレスからサンタ・バーバラまで、セントラルコーストのいくつかの畑のブドウを使用するシャクリンは、それらの畑と向き合い、その畑から伝わってくるメッセージにじっくりと耳を傾け、畑をパートナーとして捉えたうえでヴィンテージ毎にワイン造りに取り組みます。
畑を選ぶ際にはその知名度ではなく、それぞれの個性を重視します。時には他のワインメーカーが敢えて選ばなかったところを選ぶ場合もあります。他の畑にない何か特別なものを秘めていると感じた時、迷わずその畑を選ぶことが、まさに“サン・リージュ”の真髄と感じています。
セントラルコーストは様々な微気候や異なる土壌、地形を持つ、大変多様性に富んだ地域です。地中海気候に似ていて、ローヌ系品種に最適といわれるこの地のブドウですが、時にローヌのお手本通りというより、むしろこの地の独特な個性を持ち、この地ならではの物語を見せてくれる、とシャクリンは感じています。このような素晴らしい畑をパートナーととらえ自然を尊重することは、シャクリンの絶対の強みでもあるでしょう。シャクリンの独特な世界観を表現する印象的なラベルはNY在住のドイツ系アーティストによるものです。全てにおいて自身のこだわりを持ち、オールドワールドの伝統を重んじつつも、ニューワールドで自身に挑み続けるシャクリンのワインは、今後の大きな成功を予感させる素晴らしい造りです。