当主ロン・メルヴィルの愛妻、ドナの名前を冠する、クールクライメイトの最上級のシラー。
ドナのブロックは自社畑の北東側の6mほどの砂質の丘の上にあり、クローン#1とエストレラの2種のシラーが栽培されている。
冷涼な気候の中で育つシラーの生き生きとしたアロマやボディを鮮明に表現すべく、ニュートラルオーク樽で100%ホールクラスターのまま発酵。オープントップの1.5トンタンクでスキン(ステム含む)コンタクトのまま35日間発酵(7日間のコールドソーク+2週間の発酵、1週間マセラシオン延長)。プレス後はニュートラルのフレンチオーク樽に移されシュール・リーのまま、一切の添加物を加えず2020年3月まで熟成。
深い藍色をしており、中国の五香、ダークカカオ豆、燻製した海塩などの強烈で豊かな香りが最初に感じられます。背景には、ブルーベリーのコンポート、牛肉の串焼き、ポルチーニ茸などの濃厚な香りと、スミレやラベンダーなどの柔らかな花の香りが混ざり合う。このワインは、非常に高い凝縮感とバランスのとれた味わいで、繊細で埃っぽいタンニンが力強く長いフィニッシュを縁取っています。
メルヴィルの創設者、ロン・メルヴィルは父の影響から幼いころより土に親しみ、1987年からソノマのナイツ・ヴァレーでブドウ農園を始めました。シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどを栽培し、その品質の高さから周囲の著名なワイナリーがこぞって買い付けていました。メルヴィル一家は1997年にソノマからサンタ・バーバラへ移ることを決意しました。長年思い描いていた冷涼な土地でのピノ・ノワールやシャルドネ造りをサンタ・リタ・ヒルズで始めることにしたからです。海から10マイル(16キロ)ほどしか離れていないこの地域は、朝夕に霧が立ち込め午後は海からの冷たい風が吹きこみます。この涼しい気候はシャルドネやピノ・ノワール、シラーなどの栽培に最適であるだけでなく、生育期が長く、凝縮した味わいを生みます。土壌は石灰質の岩が含まれる砂質で、酸がしっかりとした果実を作ります。この土地の素晴らしさを確信したロンは、サンタ・リタ・ヒルズのAVA認証(2001年)にも大きく貢献しました。現在メルヴィルの120エーカーの自社畑では、16種のピノ・ノワールのクローン、シラーを9種、シャルドネを6種栽培しています。メルヴィルでは、それぞれのクローンの持つ特徴や性質を重要視し、畑でも場所を分けて栽培しています。また醸造の際にはクローン毎に発酵を別々の樽で行い、その個性を最大限引きだす努力を惜しみません。ロンの息子、チャッドは1997年から父や兄弟と共にブドウ栽培に携わってきました。家族と共に、自分たちの土地で自らの手でブドウを育てワインを造る、この工程を全て自社で行うことに大きな誇りを持っています。2015年に醸造家としてのポジションにつき、ブドウ栽培やワイン造りに対する情熱をますますワインに注いでいます。
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