このワインは忍耐と耐久性のヴィンテージです。2021年はひどい干ばつの二年目の年として始まり、その後穏やかな生育期が続いた年でした。コンティニュアムは十分な凝縮感と永続的な活気に満ちた味わいを持ち合わせた、洗練した凝縮感を表現した一つの形です。このヴィンテージは花の香りや、ブラック・チェリー、野生のベリー系のアロマが幾層にも重なるワインです。セージや月桂樹のアロマはセージ・マウンテン・ヴィンヤードを取り巻く環境を表現しています。2021年は信じられないほどの複雑味を持った、熟成の為のワインです。デカンティング
最高の状態を経験する為に、サーヴする前にワインを呼吸させるデカンティングすることをお勧めします。デカンティングすることで、ワインの純粋な香りの表現を目覚めさせ、しなやかなワインとなります。コンティニュアムはリリースと同時に楽しむことができますが、長期熟成することでより豊かな味わいを楽しむことができるでしょう。2021年ヴィンテージはひどい干ばつに見舞われた二年目の年となり、生育期の降水量は320mmで、例年の1/3程度しかありませんでした。ブドウの樹の回復力や寿命を向上するために、土壌と微生物の両面において、細心の注意が払われました。4月中の気温は平均的な気温で推移し、50%芽吹いた状態になったのは4月2日で平均より2日遅くなりましたが、5月は暖かい天候が続き、50%が開花したのが5月21日で、平均より6日早くなりました。収量の平均はエーカー当たり2.4トンでした。結果的に、とても穏やかに進んだ生育期となり、華氏100度(約38℃)に達した日は6日だけでした。収穫は例年より若干早い、開花から124日目の9月14日に始まり、その後も安定したペースで進み、9月27日に終了しました。コンティニュアムは、自社畑のセージ・マウンテン・ヴィンヤードのブドウを100%使用したエステート・ワインです。ナパ・ヴァレーのオークヴィル東側の山奥にあるプリチャード・ヒルの丘にあり、ナパ・ヴァレーとサンフランシスコ湾を見渡す畑は、岩が多い火山性の土壌のため収量が低く、ブドウの樹は深みと複雑味がある果実を生み出すことにエネルギーを集中させます。2021年のコンティニュアムには、1991年と1996年に、そしてその後2004年、2010年に植樹された平均樹齢20年のブドウの樹からなる成熟した38エーカーの自社畑のブドウが使われています。それぞれ特徴の異なる42の区画に分類され、カベルネ・ソーヴィニョン、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、メルロは標高396m-487mに位置する、若干北と東にも傾斜がある西向きと南向きの区画で栽培されています。この標高の高さとスロープが気温を適度に保ちます。この火山性の土壌に植樹された多様性のある畑から、コンティニュアムの複雑味が生みだされるのです。コンティニュアムは、100%自社畑で栽培されたブドウのみを使い、醸造から瓶詰めまでをすべて自社設備内で行うエステート・ワインです。ブドウは夜間に房の状態を見ながら手摘みで収穫し、除梗前と後にさらに選果を行い、重力に逆らうことなくフレンチオーク樽とコンクリートのタンクに移されます。3日間低温浸漬させてから発酵させ、1日3-4回のポンプオーバー、最も発酵が活発な時期に2-3回のデレスタージュを行います。槽内で果皮と共に17-30日間静置し、その後ワインを抜き取り、果房をバスケット・プレスにかけ、ワインは澱と共に樽に移され、マロラクティック発酵と熟成を行います。2021年のコンティニュアムは、フレンチオークの新樽60%と使用済み樽37%、コンクリートのアンフォラ3%で21ヶ月間シュール・リー熟成させました。畑の個々のロットは2021年ブレンド用に何度も注意深くテイスティングされます。そしてそれぞれのロットのポテンシャルは最終的なブレンドで証明されていますし、私達はこの結果にとても満足しています。ブレンド後、低温熟成庫でゆっくりと時間をかけて熟成され、慎重に澱引きをしてから、無濾過・無清澄で瓶詰めされます。コンティニュアム・エステートはロバート・モンダヴィ・ワイナリーで20年間、醸造責任者を勤めたティム・モンダヴィ、姉のマルシア、その父である故ロバート・モンダヴィによって2005年に設立されました。ナパ・ヴァレーの東、曲がりくねった山道の奥に広がる山、プリッチャード・ヒルの自社畑から造られるたった1つの赤ワインは、100年間に渡るモンダヴィ家の歴史に深い敬意を注ぎ生まれた、情熱のワインです。ラベルには、ティム・モンダヴィの次女、キアラ・モンダヴィ作のカベルネ・フランの樹が描かれた影絵が採用されています。コンティニュアムはラテン語で「継続、継承」を意味する「continuus」に由来します。ワイナリーはナパ・ヴァレー東側にあるヘネシー湖の上のプリッチャード・ヒルにあります。172エーカー(約69ha)からの景観は見事なものです。リッチで凝縮感のあるカベルネ・ソーヴィニョンやカベルネ・フラン、プティ・ヴェルド、メルロにも完璧な土地です。安山岩の巨礫が混ざった活力の低い赤い火山性と泥質土壌は、見事なヒルサイド・ヴィンヤードです。畑には二つの土壌があります。ロック・ハムブライト・ローム(85%)とソブランテ・ローム(15%)です。この地域では年間550~700mmの降水量があり、ナパの中ではかなり穏やかな気候で、時に冷たい冬の風が吹きますが、夏に華氏100°(約38℃)を超える日はほとんどありません。7・8月の日中の最高気温は約30℃、夜間の最低気温は約9℃です。標高は約410~490m、南西から西向きの斜面で斜度は5~20%です。現在41エーカー(約17ha)に植えられたブドウからワインを生産しています。2010年には残りの20.5エーカー(約8ha)にブドウが植えられ、いずれは域内の植樹面積が60エーカー(約24ha)になる予定です。現在収穫しているブドウの中で最も優れているのは1991~1992年に植えられたもので、カベルネ・クローン7です。畑の植樹の割合はカベルネ・ソーヴィニョン55%、カベルネ・フラン30%、プティ・ヴェルド11%、メルロ4%です。有機栽培を実施していますが、認証は得ていません。この素晴らしい土地を反映したユニークなワインを造るために、多様な土壌・スロープ等の観点から台木や畝の方向・樹の仕立て方などを決定します。標高の高い土地の長い生育期、霜の害が無い安定した気温、活力の低いミネラルの多い石の多い土壌、この素晴らしい3つの条件は、世界の最高級ワインに匹敵する「コンティニュアム」という単一畑の赤ワインを造る為の最高の環境だと言えるでしょう。コンティニュアムでは様々な醸造テクニックを用いてワインを造っています。ブルゴーニュで行う手動パンチダウンや、ボルドーでよく使われる自動ポンプオーヴァーや澱の撹拌、バトナージュを実施しています。最大40日間のマセレーションを行いフレンチオークで熟成します。2013年には建築家HowardBacken設計によるワイナリーが完成し、コンティニュアムはプリッチャード・ヒルの自社畑のブドウ100%から造られ、また同じ敷地内でボトリングされる完全エステートワインになりました。