赤りんご、黄桃、マスクメロン、蜂蜜のアロマ、口に含むとちょうどいい酸、心地よくふくよかでミネラルを感じる余韻があります。
控えめのアルコール度数で、爽快感溢れるワインです。
そのまま飲むのも最高ですが、生牡蠣やローストチキン等ととてもよく合います。
ナパ・ヴァレーのオーク・ノール地区の西部にあるマサイアソン家自宅の裏の畑です。
マサイアソンは、2011 年からこの「リンダ・ヴィスタ・ヴィンヤード」を借用して栽培を始めました。
それ以来オーガニック栽培に切り替え、もともとこの畑にあった美しい古木の再生に力を注いできました。
この地域は昔から黒ブドウを栽培するには涼しすぎて不向きと言われていて、1960 年代当初から素晴らしいシャルドネの産地として知られていました。
この土地の涼しい風と粘土質の土壌がシャルドネにフレッシュ感と豊かな酸味を与え、ナパ・ヴァレー全体に燦々と降り注ぐ太陽がブドウを適熟させ、ワインに程よいボディを与えてくれるのです。
シャルドネは簡単そうで難しい品種です。
ブドウの成熟の段階によって「未熟=> 適熟 => 完熟」のスケールがあるとすれば、適熟を見極めるのがとても難しいのがシャルドネです。
畑を借り、自分たち自身がオーガニックで栽培してブドウの生育を最初から最後まで管理しているからこそ、適熟期を見逃さずにこのような素晴らしいシャルドネを収穫することができるのです。
このワインは、100%この「リンダ・ヴィスタ・ヴィンヤード」のシャルドネで造られます。
またブドウは、CCOF (California Certified Organic Farming) の認証を受けています。
シャルドネの樹はもともと1989 年にベリンジャーが植樹したものです。
真の成熟を迎えた今、これらの樹を大切に栽培し続けることに誇りを持っています。
数回に分けて収穫された熟度の異なるブドウが、このワインのバランスの良さと複雑さ、そして完成度の高さを生み出します。
早めに収穫したブドウは酸とミネラリティを与え、遅めに収穫されたブドウはワインにブドウは全房圧搾し、発酵と熟成はフレンチオーク旧樽のみで行い、野生酵母のみで発酵させます。
バトナ―ジュも滓引きも行いません。
2/5のワインのみマロラクティック発酵をさせました。
アルコールは中程度で、この畑の特徴であるしっかりとした酸も感じられ、完熟したクリーミーさとのバランスが良く取れています。
オーナー醸造家のスティーヴ・マサイアソンはナパ・ヴァレー屈指のヴィンヤード・コンサルタントです。
彼のクライアントにはアイズリー、シャペレ、スポッツウッド等があり、バランスの取れたブドウ造りに定評があります。
マサイアソンは完全家族経営の小さなワイナリーです。
スティーヴが造る白ワインはイタリア・フリウリ地方のワインがモデルで、赤ワインはボルドー・スタイルが中心です。
畑(現場)出身の現場主義であり、畑の作業は可能な限り全て自分で行います。
そして、スティーヴはワインの味わいを決定する重要な要素である収穫時期を通常より 3 ~ 4 週間早めることを好み、カリフォルニアワイン業界全体を驚かせています。
2014 年には、アメリカの有力紙サンフランシスコ・クロニクルの「Winemaker of the Year」に選ばれ、今後の活躍が期待される敏腕若手醸造家です。
スティーヴ・マサイアソンにとって、ワインを造るという事は、畑仕事の延長にしか過ぎません。
マサイアソンで使われるブドウはナパ・ヴァレーとソノマ・ヴァレーの畑から収穫され、どれもスティーヴ本人が生育期を通して栽培を管理する畑です。
スティーヴはブドウ品種が本来持つ個性や香りをワインにそのまま反映させるスペシャリストです。
彼は、どこにでもあるようなシャルドネやカベルネ・ソーヴィニョンはもとより、リボッラ・ジャッラやレフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソのような、普段ナパ・ヴァレーでは、あまり見かけない品種も得意とします。
どんな品種であっても、彼の仕事は、ただひたすらそのブドウが育つ土壌と品種の個性をワインに反映させることです。
マサイアソンのワインの特徴は、お食事に合わせる事を前提とした爽快感と、通常のカリフォルニアワインよりも低めのアルコール度数です。
畑それぞれに適した栽培農法を用いることによって凝縮感のあるブドウを育て、醸造家としての自己顕示欲を極力抑え、ブドウの個性を尊重することによりアロマティックな香りに包まれたバランスの良いワインを造ることが可能になります。
カリフォルニアにおいて優れたバランスを持つシャルドネとピノ・ノワールを探求する組織として一世を風靡した「In Pursuit of Balance (IPOB)」の元メンバーであり、ヨーロッパを思わせるエレガントで鮮やかなワインを造ることに定評があります。